ただならぬ妄想と畑のニンジン(^^)

人を褒めるのは難しい

 

「お前って人が喜ばない事を言う天才だよな」

 

とバンドメンバー(ドラム担当)から言われた事がある。

 

ボーカル担当が最早Tシャツ屋さんになれるくらいデザインセンスの良いフライヤーを作成していたので、

私はそれを褒めたのだが、どうやらそれが良い褒め方ではなかったらしい。未来のTシャツ屋さんの顔が曇った。

その空気を瞬時に察知し、冒頭のセリフをドラム担当が言い放ったというわけだ。

こいつは思った事を溜めないですぐ口に出すなあ、便通もさぞかし良いのでは無いかと思っただけでその時は一切反省をしなかったのだが、つい最近

「私の才能は何なのか」という問いかけを便秘で苦しみながらしていた時に、ドラムの顔とともにふと思い出した。

 

私の記憶が正しければ、あの時私はTシャツ屋さんのデザインセンスに感動したのと、

彼女がIllustratorを駆使していた事に関心した。

私はテキストとイラスト、写真が載っている媒体は全てPowerPointで作成されていると思っている人間なので、彼女も同じくPowerPointで作成していると思っていた。なるほど彼女はプレゼンテーション資料作成の天才。最早代表的存在。レペゼンプレゼンだと思っていた。

それがIllustratorを駆使しているやばいTシャツ屋さんであった事に驚いたので、それを褒めたのだが、ダメだった。レペゼンプレゼンの方が嬉しかったのであろうか。

私の褒めは、喜べない言葉として扱われ、しかも天才の称号まで頂いてしまったわけだがこれは非常によろしく無い。

おそらく私はこれまで無自覚で多くの人を傷つけているはずだ。そりゃモテ無いわ。もう喋るのやめようか。

 

そんな事を考えながら、「全然喋らないけど洋服がかっこいいから好きと言ってくれる人と恋をする」という発想のもと、洋服を買いに行った。

店に入るなり、店員が

 

「そのシャツいいですね。お似合いです」

 

と言った。

 

「靴も雰囲気に合っていてかっこいいですね。」

 

いつもなら軽くあしらっていた言葉。

だが、今は違う。

 

これだ。これだよ。

 

相手の持っているものを褒める。

こんな簡単で、なおかつ悪い気がしない褒め方があるだろうか。

 

私「ありがとうございます。貴方のシャツもかっこいいです。」

 

店員「ありがとうございます。こちらは12000円です。」

 

私「あとボトムスもシルエットがかっこいいですね。」

 

店員「ありがとうございます。こちらは16000円です。」

 

何という微笑ましい会話だろう。

店員も笑顔である。これなら私にもできる。

私たちはその後も良い雰囲気のまま、晴れやかな気分で店を後にした。

手には12000円のシャツと16000円のボトムスを手に。

 

褒め方が分かった私は調子に乗って女性とのデートの約束を取り付けた。

意中の相手と言うわけでは無いし、知り合いではあったが練習である。

この間買った洋服…ではなく普段通り。洋服では勝負しない。

ちなみに買った服はあまり似合わなかったのでメルカリで出品中である。

 

二人で和やかなムードで食事を楽しんでいたら、

彼女がカバンからポーチを取り出して写真を色々な角度から撮影した。それだけ写真に撮るという事はさぞかしお気に入りなのだろうと思い、

「ポーチ可愛いね。デザインがすごく君に似合ってるよ。」

と褒めた。本日10回目の褒めであり、脳内で「1UP!」と言った。

 

だが女性は顔色を変えずに、

あろう事かそのままメルカリに出品していた。なぜだ。

しかも商品説明は丁寧で、「デザインが好みでは無いので」と書いていた。

私の褒めは無駄になったのだ。1UPはしなかった。

 

「あれこいつ褒められたものはメルカリに売る変人なのかな?」

と思い、

「そのワンピースすごいセンスいいね」

と言ったが脱がなかった。あろう事か、スケベを発揮してしまった。

 

何だかもうどうでもよくなってその後は持っているポケットティッシュ(自由空間のビラ入り)を褒めたりし、全然喜んでもらえずじまいであった。

そして未だに正しい「褒め方」はわからないまま、今日も人を傷つけながら生きている。

 

※下書きにあったのを供養します。これからはちゃんと更新して行きたいです。