ただならぬ妄想と畑のニンジン(^^)

大人でも勝てないもの

 

電車に乗ると、高確率で尿意を催す。

 

新宿から藤沢まで、小田急線で移動していた時の事だ。

 

新宿駅から発車した時の揺れが私の膀胱を揺らしたのである。

 

ちゃぷん…」

 

今、確実に音がした。

 

音がしている。

 

「満水です」の合図である。

 

先ほどまで感じなかった尿意が、こみ上げてくる。

 

溢れないよう、力を入れる。

 

毎回思うが、力を入れても閉まるのは尿道と言うよりケツな気がする。

 

なんて無駄な体内構造なのだ!うんこを我慢しているわけではないのに!

無駄な筋肉を使うのではない!

 

そして人間の脳はアホなので、「せっかくだから」みたいなテンションで、

なぜかうんこまでしたくなるのである。

 

しまった。

 

前も後ろも、一撃を食らえば、いや、触れられただけで大爆発する。

 

私は今まさにモーションセンサー爆弾である。

 

余計な事を考え便意まで催すとは、やはり私は考える事をやめた方がいい。

 

気分を落ち着かせるため、文庫本を取り出した。

 

 

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)

 

 

うむ。

 

これはだめだ。ホラー×尿意=必ず失禁

 

と言う法則がある。しかもこれは大賞受賞のホラーなので、おそらく全米が失禁しているものである。

取り出して表紙見ただけで漏れそうになった。急いで力を入れたがケツばかり締まる。おそらくうんこは大丈夫だ。ケツの締まりが尋常ではない。安心した。安心したが、

「ホッと」したら確実に尿が出るので「ホッと」はできない。そんなの安心と言えるのだろうか。

 

とにかく時間の問題である。

 

次の駅で降りて済ませる、なんて事をしたら遅れてしまう。とにかく耐えるしかない。

 

目の前の客がお茶を飲んでいる。

 

私はふとカバンの中のペットボトルのお茶を出し、眺めた。

 

 

いやだめだ。

 

いくらなんでもここにするのはダメなのである。確実に溢れるのである。

 

私は残ったお茶を飲み干した。よし、これで、

 

 

 

 

 

いや、ダメである。

 

私は一体何を考えているのだろうか。

 

ペットボトルに入れる前提で飲み干してしまった。前提がアホである。

 

ここに尿をして警察に提出したらASKAっぽいかな?と考えている場合ではない。

 

そして飲み干したおかげでますます尿意は高まる。

 

目の前には空の「おーいお茶」。

 

とにかく別の事を考えるのだ! 尿の事を考えるな!

 

ペットボトルをしまって、下を向いた。

 

 

近くの男の子が駄々をこねている。

 

 

 

 

 

「おしっこ、おしっこ、おしっこー!!」

 

 

 

 

 

 

 

やめろおおおおおおおおお!!!!

 

 

 

 

叫びたいのは私の方なのだ!

 

貴様はケツを締め上げるほどおしっこをしたいのか?腹内の水音を聞いているのか?
ただ、駄々をこねたいだけではないのか?

 

本当に叫びたいのは私なのだ!


目の前の乗客がお茶を飲む。ソレにしか見えない。ASKAのせいだ。

 

 

 

耳を塞ぎ、目を瞑った、

 

 

 

これは夢だ、、

夢であってくれ、、、

 

 

 

 

 


男の子のお母さん「もうすぐで藤沢だから待ってね」

 

 

 

あと少しで藤沢らしい。

 

 

 

よし、よし! 

勝機が訪れた。

 

 

あと少しだ、あと少しの我慢なのだ。

 

 


藤沢に着いた。 

 

私は急いで電車から降りる。

 

改札へと走る。 

 

膀胱が揺れる。

 

ちゃぷちゃぷ音が鳴る。

 

満身創痍だ。

 

suicaを思い切り改札に叩きつける。

 

 

出れた!よし!

 

 

 

ん??

 

 

 

ゲートが遅れて締まった。

 

 

 

チャージ不足であった。

 ちくしょう!精算機に向かおうとしたが

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ゲートに膀胱をぶつけており、爆発しながら精算機を見つめる私がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

その後落ち着きはらってトイレでちゃっかりウンコをした。意外と冷静な自分におどろき、また失望した。

 

 

 

 

 

大人だけどこれは仕方ないのではないか。大人でも勝てないものはある。

いや、イチローとかでもこれは勝てなかったよ。

 

 

 

 

 

というか大人なんて辞めたい。