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森の愉快なウコン達

くだらねえ日常

Dさん

 

学生時代に、僕はアルバイトを多く掛け持ちしていた。

コンビニ、家庭教師(小学1年生)、バーテンダーユニクロ等々…

また派遣会社に登録し、軽作業のアルバイトもこなしていた。

 

どのアルバイトもそれなりに楽しかった。

私の多感な股間に冷えた烏龍茶をこぼされ、多感なのでけたたましく泣いていたら

「先生というよりお友達」という理由でクビになった家庭教師を除いては卒業まで続ける事ができた。お友達としては雇ってくれなかった。

 

その中で特に派遣のアルバイトは毎回メンバーが違うため、

いろいろな人と知り合う事ができた。

特に印象深かったのは、Dさんという男性だった。

一期一会である派遣のアルバイトにもかかわらず、彼の名前だけはしっかりと覚えている。というか、彼のおかげで今でも連絡をたまに取る友達が出来たのである。

 

派遣の現場は物流倉庫であった。

私はいつもの様に同年代の人を見つけ、

昼休憩の時に5人で固まって食事をしていた。

そこに割って入ってきたのが、Dさんだった。

 

「ようよう!お疲れちゃーん!」

 

あ、お疲れ様です…と声をかけたところ

 

「俺は疲れていないぞ」

と謎の自慢をかまされた。

 

 

「あいや、俺若いのよ。年は48なんだけど、

中身はまだ二十歳そこらなんだよ!君らと一緒!

 

見た目は大人、頭脳は子供ってな!

 

コナンの逆バージョン、割と底辺の人間じゃねか。

あと君らと一緒って、二十歳そこらの私達の頭脳を割と遠回しすること無く馬鹿にしてきた。

 

「みんなこの現場初めてっしょ。わからない事あったら俺に聞けよ。なんでも教えてやっから!」

 

あ、ありがとうございます…

と軽く会釈をし、おにぎりを口に入れた瞬間、

 

 

 

 

「まあ、俺も偉そうな事言っといて、

この現場初めてだから!みんなと一緒!」

 

 

おにぎりが綺麗に飛んだ。

一体なんなんだこの人は。

 

性教育の授業で熱心に語った後、

 

「まあ、俺も偉そうな事言っといて、

童貞だから!みんなと一緒!」

 

とか言い出す保健体育の先生みたいなこというな。

いや、例えに出したがそんな人いるのかはわからん。

仮にみんなが一緒じゃなければ童貞をからかわれるぞ、先生よ。

 

「みんな何話してんの?」

 

もはやDさん中心に話が進んでいる。

 

一人の女の子が、

「彼氏の事とかです…」

 

と適当に返したところ、

 

「おお!懐かしい!俺も恋したよ!

今は酒が恋人だよ!」

 

全然若くねえじゃねえか。

挙句、

「男はすぐ浮気するから気をつけねえと!」

と発言し、浮気の具体的な行為の内容(性教育)を語り

女の子があからさまに不機嫌な顔になった。

また私は一つ一つ!をつけているが、それだけ声が大きいのである。

 

ここまで空気読めない人も珍しいなあと思っていたところ、

やっと昼休憩が終わり、地獄の時間が終了した。

 

「俺〇〇のとこいるから、わからない事があったらいつでも聞きな!」

 

と去っていった。真実はいかに。

 

その後は一切絡む事無く、業務を終えたのだが、

終了時間が晩御飯時であったため、

見た目が子供の5人だけで食事をする事となった。

 

ファミレスで当然のごとくDさんへの悪口が頻発し、

お互い仲良くなる事ができた。そして連絡先を交換し合った。

派遣のアルバイトで交換する事などこれが初めてで最後であった。

 

そう考えると、なんとなくDさんにも感謝しないとなあと思うのだ。

 

 

 

ちなみに、派遣の現場というものは

それぞれの案件に派遣会社の社員が1人つくのであるが、

Dさんがその担当社員であり、役職も結構上である事を知った。

 

Dさん、今でも働いていますか。